私の英会話について苦労したことや恥ずかしかったこと、笑えたこと、働いてからわかったことなど、経験談です。
日本では有名なカクテルなのにバースタッフに通じない訳
私が日本にいて学生だった頃、クラブ(DJとかダンスの方)でバイトしたことがある。ビール以外の飲み物で、日本人がよく注文する人気の飲み物が、ソルティードッグ、ジントニック、スクリュードライバー、モスコーミュール、カシスオレンジ、カルーアミルク、カンパリソーダなんかのミックスド・ドリンクス(mixed drinks)であった。これらの飲み物は日本でカクテルと呼ばれているものである。
でも、実際にこちらのバーで働いていると、ジントニックやスクリュードライバーをオーダーするお客さんがたまにいるくらいで、上の例で挙げたような日本で人気の飲み物は、いまだかつて注文を受けたことがない!というくらいマイナーなミックスド・ドリンクスであることがわかった。
しかもジントニックを注文したいお客さんは"gin and tonic"というので日本語の名前とたいして変わらないのだが、スクリュードライバーを注文したいお客さんは"Screwdriver"とは言わず、"vodka and orange"と言って、中に入っているものを名指しで注文してくるからスクリュードライバーやモスコミュールなんて名前で注文があってもバースタッフには通じないことがほとんどであるし、お客さんも名前なんてわからないのだろうと思う。
お客さんがミックスド・ドリンクスを注文するときは、日本でよく呼ばれているカクテルの名前ではなく、お客さんの飲みたいお酒と割って欲しいソフトドリンクやジュース、レモンやライムなどのガーニッシュを指定して注文するのが一般的なのだ。
ある日、日本人のお客さんがモスコミュールを注文してきた。日本にいたときはモスコミュールに何が入っていたのか、どのようにして作ればよいのか覚えていた私だったはずなのに、こちらのバーで働くようになってからは、日本のメジャーなミックスド・ドリンクスの作り方とその名前をすっかり忘れてしまっていた。
そこで、他のバースタッフにモスコミュールを作ってとお願いしたのだが、皆わからないと言う。困る私。そのお客さんの顔も濁っている。モスコミュール知らないの?といった驚きが伝わってきて、申し訳なさでいっぱいになる。結局はマネージャーにまで確認する始末。しかし、マネージャーはカクテル専門のバーで注文してくれとそのお客さんにお願いしてしまった。
というのも、マネージャーの思い描いたモスコミュールは、カクテルのことであり、ミックスド・ドリンクスではなかったからだ。
よりによってその日は週末。私の働いているパブでもそうなのだが、パブの中に数箇所バーがあるところは、カクテルバーやスポーツバーなど、お客さんがDJの音楽と一緒にカクテルを楽しんだり、スポーツ観戦を楽しんだりする空間が別れている。バーが忙しくなると、列を作るお客さんをさばく時間がなくなってしまうので、カクテルバー以外では、カクテルの注文を受けないようにするところが多い。
そんな理由からその日本人のお客さんは、カクテルバーに行って、モスコミュールを注文しなければならなくなってしまった。
次の二つのレシピを比べるとわかるのだが、、、
"Vodka, shaken with muddled fresh lime and mint topped with ginger beer" ←これはカクテル、
"Vodka, dry ginger ale, and a squeeze of lime" ←これはミックスド・ドリンクスである。
どちらもモスコミュールのレシピだが、違いがわかっただろうか?
お客さんがミックスド・ドリンクスを注文する場合は、「Can I have a vodka and dry with fresh lime?」とか、「Can I have a vodka and dry? Also can you squeeze fresh lime?」などと注文するのが一般的で、「Can I have a Moscow Mule?」とは注文しない。
よりによって、バースタッフに「Do you know how to make a Moscow Mule?」などときかれたからマネージャーはカクテルだと思ったのだろう。
ウォッカとジンジャエールを混ぜ、ライムを絞って入れればモスコミュールになるから、わざわざマドラーでライムをつぶしたものをウォッカと混ぜて、ジンジャビールで割ってミントを飾る、、、なんて手の込んだことをしなくても、その日本人のお客さんは満足できたかもしれないし、カクテルバー以外のバーでも余裕で作れたのだ。
しかも、ミックスド・ドリンクスの場合はスピリッツやリキュールにどんなソフトドリンクやジュースを混ぜても、ウォッカならウォッカと入れたアルコールの料金しか取らないので、カクテルよりも安上がりになる。お客さんの注文の仕方でバースタッフが作るものと値段が変わってしまう。
あの日本人のお客さんには、私がモスコミュールを思い出せなかったせいで、満足なサービスが出来なかったなーと今でも申し訳なく思う。
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メルボルンカップ (Melbourne Cup)
昨日は、メルボルンカップだった。メルボルンカップ (Melbourne Cup) とは、「毎年11月の第1火曜日」に、メルボルンのフレミントン競馬場(Flemington Racecourse)で行われるオーストラリアでもっとも有名な競馬で、VIC州では祝日となるくらい全豪のビッグなイベント、カーニバルである。
NSW州ではVIC州と異なりメルボルンカップは祝日とはならず、カレンダー上ではただの普通の日である。それでも多くの人々がテレビ観戦で大いに盛り上がる。この日は仕事にならないので午後から休みになる会社もあるぐらいだ。
しかもこのカーニバルは競馬以外にも、ファッションの祭典の日としても有名であり、頭に花や羽飾りのついた帽子やカチューシャをし、フォーマルなドレスで着飾った女性が至る所に出現する。その姿はとってもゴージャスで、とっても華やか!競馬場を訪れないNSW州にいる人も、ドレスアップする人、かなりの確立で多し。
本当に皆さんの装いがスゴイんですが、ドレスアップした皆さんが、どこに行くかというと、もっぱら、パブ。笑。バブに集まって、皆でテレビ観戦するのです。皆さん、お仕事は何をされているのでしょう?と不思議に思うくらい、平日の昼間っからパブは人でごった返すのです。
3時にスタートした、メルボルンカップ(Emirates Melbourne Cup(G1)、芝3,200m)は、総額賞金がAU5,650,000ドル。(詳細はAAP RacingやVictoria Racing Clubなどで確認できます。) 1ドル80円でレート計算すると、日本円で4億5千2百万円。日本ダービーの総額賞金が2億8千6百万円だから、それと比べても、世界トップ・クラスの賞金額であることが頷ける。
私が働いていたパブでは、レースがスタートする3時前までの2時間がピークで忙しく、スタッフ皆が休む暇もないくらい。3時のレース前までにランチを済ませておきたいお客さんが殺到したのだ。